ハーレーを巻き込む世界のムーブメント

日本のメインストリームメディアではまだ大きく取り上げられていないものの、世界各地で確実に熱狂を生んでいるグローバルなカルチャームーブメントを3つ厳選しました。

いずれも「ハーレーが主役」として始まったわけではなく、他のカルチャーやレースの流行が起点となり、それが結果としてハーレーダビッドソンをはじめとするカスタムバイクの世界へも大きく波及したという背景を持っています。

ライフスタイルとモータースポーツの融合「Wheels and Waves」

フランスのビアリッツを拠点に展開されている「Wheels and Waves(ホイールズ・アンド・ウェーブス)」は、カスタムバイク、サーフィン、スケートボード、そして現代アートや音楽が融合したフェスティバル型のムーブメントです。

従来のモータースポーツイベントのような競い合いや、既存のバイクブランド中心の集会とは一線を画しています。参加者はビンテージバイクや自作のカスタムマシンで草レースを楽しみつつ、昼はサーフィンを楽しみ、夜はアートギャラリーやライブイベントに集うという独特のライフスタイルを共有しています。

この「自由でスタイリッシュなバイクカルチャー」という枠組みは、欧州のカフェレーサーやスクランブラー文化から火がつきましたが、その波はすぐにアメリカの大型Vツインの世界へも広がりました。現在では、ハーレーをベースにしたスタイリッシュなカスタムマシンやフラットトラック仕様の車両が数多く参加し、ハーレーの新しい楽しみ方として世界中に影響を与えています。

このムーブメントを牽引しているのは、フランスのクリエイティブ集団「South Garage」のメンバーらによって設立された公式組織です。
https://wheels-and-waves.com/

大型のツーリングバイクをサーキットで走らせる「King of the Baggers」

アメリカで爆発的な人気を呼び、世界中のモータースポーツファンを熱狂させているのが「King of the Baggers(キング・オブ・ザ・バガーズ)」です。

本来は長距離を快適に旅するための「バガー」と呼ばれる大型フェアリングやハードサイドバッグを備えた巨大なツーリングバイクを、極限までチューニングしてサーキットでレースをさせるという過激なモータースポーツムーブメントです。巨大な車体を深く傾け、膝をすりながらハイスピードでコーナーを駆け抜ける映像は、従来のレース概念を大きく覆しました。

このムーブメントの原点は、北米のモータースポーツ統括団体であるMotoAmericaが立ち上げたレースシリーズにあります。元々はVツインエンジンのパフォーマンスを競う異色のイベントとして始まりましたが、インディアン(Indian Motorcycle)とハーレーダビッドソンの二大メーカーがワークス体制で本格参入したことで熱狂が加速しました。現在では、このレースに触発された「走れるバガー(パフォーマンスバガー)」というカスタムスタイルが世界的なトレンドとなり、既存のハーレーオーナーたちのカスタム方向性にも決定的な影響を与えています。

このムーブメントの最高峰であり中心地となっているのが、レースを主催するMotoAmericaの公式サイトです。
https://www.motoamerica.com/king-of-the-baggers/

イギリスのアヴァンギャルドな野外草レース「The Malle Mile」

イギリスでスタートした「The Malle Mile(ザ・マレ・マイル)」は、格式高いモータースポーツのルールや排他性を排し、「走る楽しさと遊び心」を最優先にした泥臭くもエレガントな草レースムーブメントです。

広大なカントリーハウスの敷地や自然の中で開催され、ヒルクライム、スプリント、泥地でのレースなどが行われます。参加資格に厳密な規定はなく、ビンテージのオフロードバイクから自作のナンセンスなカスタムマシンまで、どんな車両でも「楽しむこと」を条件に受け入れられます。ドレスコードやスタイルにも遊び心があふれており、紳士的な装いと泥まみれのレースという対比が若者を中心に絶大な支持を得ています。

元々は英国のアドベンチャーラグジュアリーブランドが「バイクで遊ぶ最高の週末」を作るために始めたイベントでしたが、このノンシャランな自由さが受け、欧州全域へ拡大しました。このムーブメントの影響により、ハーレーのロードグライドやスポーツスターをブロックタイヤでオフロード仕様に改造して泥の中を走らせるような、自由でタフなカスタムスタイルが世界中に波及しています。

このムーブメントを主催し、中心となってカルチャーを発信しているのは、ロンドンを拠点とするMalle Londonです。
https://mallelondon.com/

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