ハーレーとトラブルは切ってもきれない関係がある。経験上、トラブルの原因はカスタムパーツに起因するもの6割、人的ミスによるもの3割くらいの印象である。残り1割はトラブルというより想定された環境と使用環境の差であり、不便を理解した上で付き合っていく必要がある。絶好調のコンディションでも容赦なく襲ってくるトラブルがガス欠である。
ガス欠と言うワードを知っていても普通なら遭遇することはない。ガソリン残量メーターがゼロを下回っても次のガソリンスタンドくらいまでは走れてしまう。市販車はどれも親切設計だ。カスタムバイク、ハーレー、などと呼ばれるものは残量メーターがない。不便のためにキャンプをする。おしゃれのために寒さを我慢する。そのような類の乗り物であるから仕方がない。
ガソリンが足りなくてトラブるなんてことは普段意識しないので、故障の原因としてイメージしにくい。またガス欠の症状を体験したことがなければなおさらで、もっと深刻な原因を先に考えてしまう。不意に出くわすガス欠パターンはこんなシチュエーションだ。
症状1|走行中の違和感が繰り返される
走行中の症状は前ぶれもなく停電する感じ。右手のスロットルが空転してエンジンが反応しない、バイクが加速しない、というよりどんどん減速していく。咄嗟にウィンカーを出しクラッチを切り惰性で路肩にたどり着く。はて、何が起きたのだろうと振り返る。正常に走れていた。突然エンジンの元気がなくなった。ウィンカーを出して光ったのでバッテリートラブルではない。では点火系のヒューズが飛んだか。などと落ち着いて考えてみる。試しに一度エンジンをかけてみよう。素直にエンジンがかかるのである。不思議に思いながら走り出すとまた同じ症状が出る。
症状2|ガレージで格闘
久々にバイクに乗る日。ガレージから出してエンジンをかけ少し暖気する。程なくしてエンストする、今日は調子が悪いみたいだ。エンジンをかけなおす。機嫌をそこねた後はかかりが悪い。何度か試す。かかりそうな気配がありアイドリングすることもあるが、長く続かない。何度か試すうちセルモーターの回転が弱々しくなる、バッテリーが上がってしまいそうだ。こんな時のために人力でエンジンを始動できるキックペダルがハーレーには備わっている。よし、キックペダルでかけよう。キックした瞬間はエンジンが爆発する、しかしその後が続かない。キック始動は体力を消耗する。何度も連続して蹴ることはできない。一旦休憩しよう。
盲点とも言える単純な原因
いくつかのワナが隠れている。カスタムガソリンタンクに交換した場合ガソリン残量計がつかない。残量を確認する方法は原始的にタンクを覗き込むことになる。覗き込んで底面が見えるタイプの場合ガソリンが足りないことに気がつきやすい。見えないタイプは残量を想像するしかない。タンクの構造やガソリンコックの種類によってはタンク内の流出部が結構高い位置にある。この場合かなり残っていてもガソリンが出ない。
さらに、サイドスタンドというバイク特有の傾きが影響することもある。少し休憩するとかかり、発進するとエンストするという症状を何度か繰り返す。
ガス欠は何も壊れていない、単純に材料がなくなっただけという初歩的なトラブル。人間の意識は単純な原因に向きにくい。ついつい他の原因を探ってしまいドツボにハマっていく。不意にエンストしたときは、コーヒータイムだと割り切りる。エンジンがかからなくても焦らない。ハーレーだもの。コーヒーを飲みながらガソリン入れたのいつだっけと思い当たる。それが嗜みってもんです。
